【ショートエッセイ】前向きになれた自分

もう大部分は、自分の中で区切りが付いたのだと感じる。

朝起きて、会社に行き、それなりに働いて、家に戻って自分の仕事をして、色々やって寝る。

今までは、こんな変哲もない普通の生活が苦しくて苦しくてたまらなくなってしまっていた。

寂しさになれてしまったのではないと感じているけれど、時間薬は思っているよりも早く、そして強く効果を発揮してくれているようだ。

ようやく、それなりに何かを今まで通りに楽しめる自分に戻りつつあるのだ。

そういう意味で、区切りがついたのだろう。

あの時の幸せは、もう過去のものであり、今には続いていない。

もちろん悲しいとは感じるのだけれど、ひどく落ち込むというよりは、感傷的になるような映画を観た後で、誰かと映画の感想を話している時のような心境だ。

自分ごとなのだけれど、一歩引いて距離があるような不思議な感覚である。

何はともあれ、ひどく落ち込まずにいられるようになって、いつものように笑えるようになった自分に気がついた時、「なんだか良い出会いがありそう!」だなんて思えた。

何も確証はないけれど、不思議な感覚には、そのような展望ともいうべき感覚も含まれているように思う。

どん底にいる時に、「次は良いことがある」と言われて一喜一憂していたけれど、今は「本当にそうかもしれない」と思えるのだ。

今しばらくは、自分がどう思おうと、世の中全体で人に会いにくくなってしまっているから、ある意味では準備期間のようなものだ。

この孤独な時間を共有できた誰かだからこそ、良い出会いになるのかもしれないとさえ考えている。

それぐらいに前向きだ。

こんな自分が戻ってきてくれて本当に良かった。

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