【エッセイ】普段走る道を歩くとどうなるか

歩いている。

元々、ダイエット目的でランニングすることが趣味だったのだけれど、昨今の夏の暑さと、どうやらダイエット目的なのであればランニングよりもウォーキングの方が効果的らしいので、最近はずっとウォーキングを続けている。

なんだか良い汗を流したかったり、ストレス発散のためだったりすると、ランニングすることもあるが、改めてウォーキングすると全く別の楽しみに感じられて嬉しい。

運動であることには違いないのだけれど、景色を楽しめたり、心に余裕を持ちながら呼吸を整えながら時間を過ごすことができる。

見える景色が違うと、感じ取り方も違うのだ。

引っ越してから近くにランニングコースを勝手に決めていたが、そこを走るのか歩くのかだけの違いで、見え方が違うのも楽しみのひとつになっている。

そう感じた時に、過去のことを思った。

僕は大学生の最後の頃にランニングを始めてからは、何箇所か引っ越しを繰り返してきたけれど、どの場所でもランニングをしなかったということはない。

ずっと続けていたわけではないけれど、全くランニングしなかったということはなかった。

だから、今まで住んだことのある場所にはどこにでも、お気に入りのランニングコースが存在するのだ。

特に関東圏で住んでいた地域はいまだに車で通り過ぎることもあり、その時にわざと過去のランニングコースをかすめるように見て行ったりもする。

そのぐらい思い入れができるようになるのだ。

ただ、過去に走っていたランニングコースをゆったりと歩いたことはなく、歩いた時にはどんな見え方をするのかがわからないのだ。

その時々の近いところで、適当にランニングコースにしていたので、決して風光明美なわけでもなんでもない道だからなんてことない可能性も十分にある。

それでも、僕にとっては車で寄ってしまうぐらいには思い出の地になっているのだから、歩いて改めて景色を眺めれば込み上げるものもあるだろう。

わざわざ車で何時間も掛けていくような場所ではないけれど、今度近くを通るようなことがあれば、過去のランニングコースをゆっくりと歩いてみたい。

どんな景色に見えるのか。

楽しみである。